あと…… そうだ! これを きみに あげよう!
レッドは タケシから わざマシン34を もらった!
わざマシン34には がまん が はいっている!
こうげき されてる とき じっと たえて……
あとで いっきに 2ばいにして かえす!
おもしろい わざだ!
おもしろい わざだ!
おもしろい わざだ!
2024年の年明けから、残り短いトリプルバトル界隈では、技「がまん」について局所的な盛り上がりを見せていた。
(村社会なので実際は家2軒くらいで話題になった程度)
また、24年2月11日に開催した「みなとみらいで雨滅びオフ」別名「がまん学会」では、がまんを使う為の熱い議論が繰り広げられ、この日を境にがまんの研究は3年進んだと言われている。
元々自分は「がまん」について昨年の23年8月に検討していたが、どうしようもないと諦めていた。しかし、がまん学会の熱意に胸を打たれ、後に仕様検証したところ、技「がまん」の救済ができそうなことが分かった。
そして、がまんをなんとかして使う構築を組んだ。
結果として
大いにトリプルバトルで「がまん」を活躍させることに成功した。
技「がまん」そのありえない弱さについて
長いから我慢できない人は飛ばして良いよ。
冒頭のように、初代ポケモンではニビジムリーダーのタケシに勝つと貰える技マシン34に入っている。初代からがまんはあまりにも使いにくいので、技マシン34は換金アイテムとして知られている。
ORASでは以下のような説明である。
2ターンの あいだ 攻撃に たえて 受けた ダメージを 2倍にして 相手に 返す。
実際にがまんを使うと以下のような流れになる。
ターン1
優先度+1で使用し、"〇〇はがまんを使った"と出て「がまん状態」になる
ターン2
優先度+1で"〇〇はがまんしている"と出る
ターン3
優先度+1で"〇〇のがまんがとかれた"と表示され、がまん状態が解かれ、がまん状態中に受けた攻撃ダメージの合計を2倍にして最後に攻撃してきた相手にダメージを与える。
つまり、この技は以下のように言い換えることができる。
●3ターンかけて自分のHPを削り、相手を一体倒すことができるかもしれない。
はい。もう馬鹿の使う技ですね。
普通に考えたら⇩こう思うはず。
①そもそも3ターン殴った方が強い
ちなみに6世代でイワークはがまんを使えない。
そして、がまんを発動してから、がまんが解かれるまでには数多の障害が立ちはだかる。
②がまん中は行動選択が不可
がまん状態は行動選択が完全にスキップされる。そのため、がまんを諦めて交代することもできないし、moveして相手の中央への攻撃を受けてダメージを蓄えるというような"タクティカルがまん"なんてこともできない。
ちなみに、ラス1でがまんを使うと降参を選ぶタイミングすらスキップされてなくなる。がまんに降参はない。ブシドースタイル。
第2世代までは、行動スキップではなく「たたかう」を押すことで、がまんのターンが進んだので交代はできた。なぜ弱体化させる。
そしてトリプルバトルでは、がまん中は何もできないので、試合が2vs3になる。
自ら不利にならない者に、がまんの道は開かないのである。文字通り修行みてぇな技だ。
③ダメージが不安定
A. 発動後2ターンを生き残る必要があるので、使用者が脆い・攻撃が集中するとダメ
B. 2倍にして返す性質上、使用者が硬すぎる・相手が無視して攻撃してこないと相手を倒せないのでダメ
AとBは一見矛盾しているようだが
・・・やっぱり矛盾している。
カウンターやメタルバーストのように(そもそもトリプルでは安定しないが)一発耐えて返せれば役割を果たす技とは、まるで要求が異なる。また、ソーナンス(がまんポケモン)やハピナスのようなHPお化けで使えるポケモンはいない。
<自分「がまん」はちょっと合わないっス
つまり2ターンの間、相手からの攻撃では倒されず、かつ2倍のダメージで相手を倒せるような絶妙なダメージを要求することになってしまう。使用者を端に出した場合でも相手2体からの攻撃を2ターンに渡ってコントロールできるだろうか?無理だ。
では、味方からの攻撃でダメージを蓄えるのはどうか?
最後に殴ったのが味方だと、味方にがまんが飛んでいく
そりゃそうか。
また、最後に攻撃してきたポケモンが倒れたり交換して既に場にいない場合は、相手をランダムに選んで攻撃することはできる。その為、味方に攻撃をされた後に、相手からの攻撃を受けなかった場合は、味方殴り役を引かせれば相手を攻撃できる。しかし、既に2vs3なのに交代が強要されるのは非常に厳しい。この仕様のせいで耐久を上げた「がまん役」にメガガルーラの親子愛地球投げで100ダメージを溜めるという案が没になった。
④怯みでも眠りでも混乱自傷でも中断される
特にトリプルで採用の多い猫だましがつらい。がまんの優先度は+1しかないので、使用している3ターンのうち、どこで猫だましをされてもがまんが失敗する。
優先度+4くれ。
⑤守るで防がれる
致命的にトリプルバトルに向いていない。パーティの半数には効かないようなものである。ちなみに優先度+1なので、がまんが解かれるターンではファストガードでも防がれる。やめろ。
⑥ゴーストに効かない
がまんが発動するターンに後出しが安定してしまう。特にトリプルに多いギルガルドが脅威。
ちなみに、第1世代と第4世代ではがまんはタイプ相性を無視してダメージを与えられた。こんな技を弱体化させるなその2。
⑦対角に届かない
最後に攻撃してきたポケモンが場にいれば、どこにいてもがまんを返す対象になる。なので最後に受けた攻撃が対角からのブレイブバードの場合や、中央の相手が攻撃した後に対角へ移動していた場合は、がまんを解除しても対角に攻撃が届かず不発になる。ダブル以上にトリプルで向いていない。
こいつは重症だな
これ本当に発動できるのか?
やりたいこと
上記の問題をできるだけ解決する為に以下の方針で治療を行うことにした。
①ダメージ量をコントロールしつつ
②相手の攻撃や妨害をしのぎ
③ゴーストタイプや守るで防がせない
そしてこのようなギミックを考案した。
①ファイアロー ファストガード
②ミルタンク がまん(優先度+1)
③ランドロス だいばくはつ 退場
ミルタンクのHPが最低50%削られてオボンで回復
ファイアローは耐えるが相手の攻撃を受けて退場。
がまん要員としてミルタンクを採用。ミルタンクは特性きもったまでゴーストタイプにもがまんが当たる。
がまんのダメージ源として、大爆発ランドロスを採用。威嚇でミルタンクへの相手からのダメージを減らしつつ、最低100ダメージをミルタンクに蓄える。
②と③の2つの行動のどちらかを猫だましで止められると致命的な為、ファストガード役としてファイアローを採用。初手に出すことで、ミルタンクが苦手とする格闘タイプを後ろに引かせる圧力をかけることができる。
退場した中央にガルーラ、右にシャンデラを出す。
①メガガル ミルタンクを倒しそうor妨害しそうな相手を猫だまし
②ミルタンク がまんしている(優先度+1)
③シャンデラ ふういん
2ターン目の相手の妨害として、メガガルーラがねこだまし。爆破を生き残った相手のうち、ミルタンクを倒しそうな相手の行動を止める。1ターン目に相手がカポエラーやカメックスなどの猫だまし持ちに交換してきた場合なども止める。
ミルタンクはがまん2ターン目。
シャンデラは「まもる」を封印する。これで次のターン相手はがまんを守ることができない。
①がまんがとかれた!
最後に攻撃したポケモン(例えば爆散したランドロス)が場にいない場合、攻撃が届く相手をランダムに選んで攻撃する!
相手は守ることもできず、ゴーストタイプでかわすこともできず、大爆発でミルタンクが受けた100以上のダメージの更に2倍のダメージを受けるのだ!!!!
がーはっはっは!これは耐えられまい
・・・
・・
・
ええ、そうです。この先の展開はそれほど考えてません。
ぶっちゃけ構築としてはもうここまで達成できたら満足なんです。
というかここまで、がまんを成功させるためだけに5枠も使ってしまった。なんて贅沢な技なんだ。でも、発動すら困難に思えるがまんを安定して成功させるにはここまで必要だったんだ。
そして、余った残り1枠は
ピッピにした。
構築の6匹を並べて
トレーナーネームを「アカネ」にする。
するとどうだろうか
アカネなりきり構築を組んだけど勝てなくて
心が折れてメガガルーラを使っている人に見える。
このためにサブロムを1700円で買った。
一言コメントは「おーす!みらいのチャンピオン」にしているが、ニビジムにもこのセリフはあるからここは偽装ではない。
対戦相手はこれを見てアカネ構築か?
と思っているだろうが
突 然 の が ま ん
相手は
What’s "Gaman"!?
It's not Akane's team!
Why did Miltank use Takeshi's move???
と混乱するはずである。
上述のように、がまんはいくらでも妨害する方法がある。アカネ偽装タケシ構築とすることで相手の冷静さを少しでも奪い、適切な対処をさせないためのピッピ採用である。
場に出ていないにも関わらずピッピはがまんの成功率を上げることができるのだ。
なお、相手がそんなことを気にするかは不明。
というか無難にガルピッピが強い。
個別解説
NN:おニュー
ランドロスの大爆発の最低乱数が100ダメージでオボン確定発動
HPオボン回復効率最大 Dぶっぱ残りS
"ころがる" のエキスパートが見事にタケシナイズされた牛。
ゴーストタイプに効くがまんはミルタンクの”きもったま”か、メガオニゴーリの”フリーズスキン”しかない。メガオニゴーリは弱点が多く、耐久も低くメガ枠を使ってしまう点からミルタンクに軍配が上がる。(誰かメガオニゴーリを救ってやれ)
HP種族値95のミルタンクは、がまん使いの中では7番目に高く、がまんダメージの最小値200を保証する。思ったより硬いので大爆発+相手のランドロスの威嚇(-1)ばかぢからくらいは耐える。
がまん後に置物にならないよう、残りの技をゴーストにも当たる地球投げと手助けにした。
BV鑑賞会で
っていうコメントがあったけど
構築組んだ人そんなに考えてないと思うよ。
NN:まほうのi
最速カメックス及び準速ランド抜き
意地キザンの+1珠不意打ち15/16で耐え
味方を巻き込む爆弾としてはメタグロスが有名だが、トリプルでは「スパコン爆弾」として警戒されるので、比較的爆発確率の低いランドロスを採用。
なお、ちゅーいさんの「おはようトリプルフリー」の配信で対戦した時は
「大爆発されます。アカネってノーマルタイプのエキスパートじゃないですか。」って言われ爆破決め打ちの行動をしてきた。
なんで作者より構築テーマへの造詣が深いの?
自らの威嚇でミルタンクへの相手からのダメージを減らす。
相手からの威嚇でミルタンクへの爆破ダメージがズレないように白いハーブでケアしている。馬鹿力を持つ個体が多いので、そこまで発動したりお見通しされても違和感のない持ち物となっている。
ほぼ守ると爆発しかしてない。たぶん爆発しない方が対戦上は強い。
NN:レジェンダリ
ランドの大爆発耐え
最速ニャオニクス抜き残りA
高確率で隣のオジサンに焼かれる焼き鳥。
速いファストガード要員。ミルタンクの天敵であり初手で出てくることの多い猫騙し持ちの格闘タイプを牽制することもできる。
相手が初手ダクホドーブルの場合
ミルタンク守る+ランド守る+アロー追風(ラムのみ)
で切り返しが可能。
ニンフィアのハイボがきついので、ブレバ+爆破で倒してしまう動きもできる。
相手が追風しそうな場合に備え残りは横取りにしていたが、トリル対策の挑発でも良かった気はする。
中央のランドが退場した後に、ランドを対象にした攻撃がミルタンクに行く可能性を減らすために耐久に振っている。ただし、生き残って後続で封印を展開できない場合もあった。
NN:ガーディアン
最速AS
クソギミック構築の劇薬。
どんな構築もメガガルを入れるだけでギミック成功率と勝率が1割上がると信じている。
速い猫だましとして採用。肝っ玉母さんなのでゴーストタイプも止められる。
がまんを成功させることを最優先にすると、猫だまし/フェイント/ファストガードを全部持った他の誰かの方が良いが、構築のうち2体が既に消し飛び、1体が棒立ちしているので、火力のテコ入れが必要だった。
上から格闘タイプを殴り倒せるので、ミルタンクと同じタイプなのに格闘対策になる。言うまでもなくノーマルタイプ最強。
アカネがメガガルーラを使っていたら、チャンピオンはワタルではなくアカネになっていたはず。
NN:もえるーわ
メガカメックスの水の波動94%耐え
追風でスカーフランドロス抜き
初手でランドが爆発せずにアローだけ落とされた場合に、2ターン目にランドを心置きなく爆発させられるゴーストorテレパシーの封印持ちが欲しかった。火力不足なので一番アタッカー性能の高いシャンデラを選択。
トリルが欲しい場面があるが、他のメンバーが優先度の高い行動をしがちなので微妙。
そもそも後続で出すのでトリル封印を相手より先にできない。
耐久振りシャンデラは普通に強かったので、もっと純粋な構築で使ってあげたい。
NN:ぐっすりデー
眼鏡ニンフィアのWハイボ2耐え
追風をこちらが使うので最遅ではない
がまんに関与しないアイドル枠。
相手が単体攻撃しかない時や、範囲技をミルタンクが耐えそうにない場合に、メガガルの代わりに緊急出動することがある。
ガルピッピの組み合わせは強いのだが、ピッピが出る頃にはガルーラが満身創痍なことが多い。
中央に出すことが多く、ミルタンクの手助けと相性が悪いのでスカーフニンフィアあたりの方が強い気がしてきていたが、TNがアカネになっていたので外せなくなった。あかん。
使用感
使っていてメチャクチャ面白い。
回していて一番楽しい構築かもしれない。
なにせ「がまん」が成功する
画面越しに相手が!?ってなっているのが分かる。
よくわからん時限爆弾を押し付けている感覚がたまらない。
そして、珍試合が多い。
がまんでウデッポウを粉砕。
がまんでドンメルを粉砕。
えっ!?がまんの対象この相手のどっちかなんですか??
ボゴッ!
相手メガエルレイドにワイドガードで大爆発を防がれ
その2ターン後のがまんを
メガエルレイドにファストガードで防がれる完全封殺試合
(メガガルのパワーだけで試合は勝った)
がまん起動次ターンにボルトロスにフリーフォールで連れてかれ
がまんが解かれるタイミングを上空で過ごして落とされたら
実はがまんは上空でターン経過が進まない仕様のため
次のターンにボルトロスをがまんで粉砕した試合。
がまん起動直後にフリーフォールで連れてかれ、大爆発をかわす。
そして落ちた後も対角なのでがまんが届かない がまん封殺試合。
そして、がまん最大の戦果がこれ
きょうせいバグで弱点保険2つ持って起動させてAC4段階上昇したメタグロスを
先制がまんで粉砕した。
この瞬間は世界一「がまん」が輝いていた。
構築の欠点
隣にいる奴が強すぎて、がまんが活躍した試合でもがまんが霞む。
あとはニンフやマンダのハイパーボイスが辛い。威嚇で減衰しない範囲攻撃で、ミルタンクがどんどん削れていき耐えられない。
そしてゴーストタイプを意識してきたけど、ゴースト代表のギルガルドにキングシールドで普通に防がれる。
気になる戦績とがまん成功率
多少の変更はしつつ同一メンバーでトリプルフリーに50戦潜った。
がまん成功はがまんで相手にダメージを与えたことをカウントする。
勝率
40%
がまん成功率
58%
Q. なぜがまん構築で4割も勝てたんですか?
A. ギミック破壊性能が高いから
トリプルフリーが終了する直前の滑り込みで変なギミック構築が多かった。(自分は?)
初動で爆発して相手の出鼻をくじいたり、この指で味方殴りを誘導したり、優先度+1の200ダメージでギミックパーツを粉砕したりと、がまんを通しつつギミックを不発にし、メガガルーラを通していく動きがしやすかった。
ガルニンフサンダーとかバンドリマンダとか相手では死にます。
Q. どうして「がまん」がそんなに成功するんですか?
A1. がまんの仕様を知られてないから
がまんを使われても、そもそも2ターン後ってどのタイミング?ってなる。
あとwikiで効果を見ても書いてあることが多すぎて、とても対戦中に読んで理解する仕様をしていない。
⇩60秒の技選択時間に読む気は失せる
A2. 「がまん」しかできないから
もし、がまん以外に有効な行動があった場合、その誘惑を我慢して「がまん」を選ぶ必要がある。実際そのような場面では「がまん」は選びづらい。
この構築は「がまん」以外の退路を断つことで、我慢せずに「がまん」を選んでいるのである。結果として全ての対戦が「がまんチャンス」になり、がまん成功率が上がったと考えられる。
かんそう
発動すら困難と思われた「がまん」だが、58%と高いがまん成功率を達成した。
がまんを救ったと言えるだろう。
タケシは「がまん」を強力な技だとは言っていない。
重石おもしろい技だと言っている。
本当にその通りで、使う前と使った後でこれほど良い意味でギャップのある技はない。
素敵な技を教えてくれてありがとうタケシ。
タケシフォーエバー
そして、がまんフォーエ
がまんは剣盾で出禁になった。
BV鑑賞会
視聴者コメントが絶妙に微妙な反応