メロスは激怒した。必ず、かの雨ふらしのトノを取らねばならぬと決意した。メロスにはトリプルがわからぬ。メロスは、遊び人である。てんのめぐみ岩雪崩を撃ち、ムラっけオクタンで遊んで暮らしてきた。けれどもスキンハイボに対しては、人一倍に敏感であった。きょう21時メロスは村を出発し、湿原を越え、焼野原を越え、対角に離れた此のドラフトの市にやって来た。メロスにはクレセもドランも無い。サンダーも持って無い。二十六匹の、今年作ったトリプル用の個体と暮らしている。
このドラフトでは、雨を降らす律儀なカエルを、近々、一巡目として迎える事にしていた。トノグドラを使いたいのである。
メロスはそのうえ、ついでにカポエラーやらハッサムやら加えた第二世代統一を組む為に、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その金銀ポケを集め、それからぶらぶらと構築を組もうとしていた。
メロスには竹馬の友があった。ドーブルである。今は此のドラフトの市でダクホをしている。その友を、二巡目にはとるつもりなのだ。
オンラインとはいえ初めて大会に出るのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにメロスは、discordの通話の様子を怪しく思った。ガッツリしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、参加者全体が、やけに詳しい。のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、トリプルとは、夜でも皆が滅びの歌をうたって、まちは爆発で賑やかであっただが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺に逢い、こんどはもっと、エコーボイスを強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは猫の手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる内緒話で、わずか答えた。
「トノ様は、人に取られました。」
「なぜ取られるのだ。」
「指名が被ると乱数で決められる、というのです、もう候補が残っては居りませぬ。」
「他はどう指名したのか。」
「はい、はじめは二世代統一を続けようとドーブルを。それからメガ枠がなくなるのでバンギラスを。それから猫枠と言ってハリテヤマを。それからマンダの代わりになるといってクロバットを。それからBOXになんかいたウルガモスを。」
「おどろいた。指名は乱心か。」
「はい、乱心でございます。」
飽きた。
ドラフトの直後に「走れメロス」を読んで「俺も政治とトリプルが分かんねぇ」って共感していた。
以下のDiscodeの大会で優勝した構築記録です。
cloyster.blog.jp
【構築紹介】
一巡目 ドーブル NN:デッサンカ(でっさんりょく りょくはカタカナの「カ」)
ムラっけ@メンタルハーブ
おくびょう 159(228)-×-87(252)-×-65-108(28)
追い風時でスカーフ最速ランド抜き
残りHB 何か振り方間違っててHPが158になってた。
この頃はまだ二世代統一をやろうとしており、
ニョロトノも
カポエラーも取られた為、とりあえず万能枠を先に取った。
ルールに愛されたトリプルの申し子。
ドラフト時の
discodeの通話でスカーフダクホ
ドーブルがやたら警戒されていたこと(当たり前だ)、主催のこすもすさんが
猫騙し枠の獲得をかなり勧めていたことから、汎用的なダクホ対策が「猫+一体で殴る」か「スカーフ
ドーブルよりも速いスカーフで殴る」になりそうに思えた。そこを逆手に取り、初手で
ニードルガード、二手目で追い風下でダクホする動きが強そうだったので非スカーフ型で採用。良く相手を寝かしつけたりヘイトを買ったりして、隣を暴れさせた。砂パなので襷も使いにくく、メンタルハーブを持たせたところ挑発を一度回避してくれた。
全ての技と持ち物に活躍の機会があり、
追い風が切れたターンにムラっけ素早さアップを引く悪魔。
セルヌンティウスよりも邪智暴虐の王に近い。
二巡目
バンギラス NN:じみちなどカ(地道な努力)
砂おこし@メガ石
ようき 175-186(252)-130-×-121(4)-124(252)
メガ後 175-216(252)-170-×-141(4)-135(252)
龍舞 岩雪崩 噛み砕く 守る
竜舞後 130族抜き抜き
トノが取られたので第二世代統一でまともな
ポケモン取らないと死ぬと思い急遽獲得した。間違って意地っ張りで孵化して、陽気で孵化し直したら竜舞を遺伝し忘れて孵化し直した3人目の子。
ダンス枠その1。
相手の行動が
ドーブルに集中してる間に隣で舞うエース。
フーディンや
メガゲンガーなど抜いておきたい相手がいること、どこからでもけたぐりや波動弾が飛んでくることから、耐久に振らずASぶっぱ。龍舞型にするか挑発にするかでかなり悩んでいたが、決勝では膝を避けた後に龍舞で全抜きしたので結果的に龍舞で良かった。
厚い脂肪@白いハーブ
いじっぱり 219-189(252)-81(4)-×-84(28)-98(224)
二世代統一ではまともにパーティを組めそうになくなってきたのでコンセプトを諦めて
猫騙し枠を確保した。
パーティに威嚇が刺さり過ぎてるケアとして白いハーブ。耐久に振る余裕はないが、
インファイトのBDダウンを打ち消す効果もなくはない。
クロバットが落ちた後も相手のワイガを崩してダンス枠の範囲技を通せるフェイントを入れた。ワイガはなんとなく入れた。あんまり仕事がなかったが、主催者が言うように猫だましができることに価値があった。
精神力@オボン
ようき 191(244)-111(4)-101(4)-×-101(4)-200(252)
一応二世代統一の候補にいたのでノリで獲得した。
猫騙しされない追い風役として優秀。相手のワイガや神秘を妨害する為の横取りはうっかり2つ隣のダンスを奪わないように注意。トリル対策及び滅び対策がないのでせめてもの抵抗として吹き飛ばしを搭載した。
炎の体@
イトケの実
ひかえめ 167(52)-×-104(148)-187(116)-126(4)-144(188)
熱風 蝶舞
ギガドレイン 守る
準速霊獣ランド抜き
+1手助け熱風で無振り霊獣ランドWダメ確一
ここまでパーティにパワーがなかったので、ボックス内で範囲技が撃てて火力があるやつを探していたところ、シングル用の個体がいたのでなんとなく獲得。
まさかの
トリプルwikiに個別ページがない(2022/7/16時点)
ダンス枠その2。
蝶舞した後に
ドーブルの手助けまで付けるとつよつよ。このルールではブレバマンと当たる確率がトリプルフリーよりも低いので、舞ったけど即死みたいなことは起きづらいのも良い。ブレバマン当たったけど。
ドラフトが終わった15分後くらいに「あれ?水弱点3体で水技誰も受けられなくね?」と気付く。他の人のパーティのうち7/9に水タイプがいたので(
パウワウ入れると8/9)かなり厳しい。対策として
ギガドレインとイトケのみを採用。イトケは今回二回発動し、かなりハマっていた。2舞か1舞+手助けで火力は十分なので、事故死を減らす為に防御に振った。
砂かき@命の珠
ドリュウズ いじっぱり 186(4)-205(252)-94(108)-×-86(4)-126(140)
最速スカーフ100族抜き
HB「珠反動ダメージ×2」+「珠
キリキザンのふいうち」耐え
二世代統一を初志貫徹してたら
ハガネールになっていた枠。
素の火力は一番高いはずだが、出てくるのが遅いのでエースというよりスイーパー。消耗したところに出てくる山賊みたいな奴。
【戦績】
相手も追い風や手動雨で加速してくるように見える。こちらだけ追い風ができる状況が望ましい。カメックスが行動する度にこちらの一匹がやられそうなので警戒。
初手
ラティ/ランドロス/ルンパ
クロバット/ドーブル/ウルガモス
初動の追い風ニードルガード蝶の舞には成功するも2ターン目のダクホがラティにしか当たらない事態が発生。
その後、カメックスの潮吹きを通される度にパーティが半壊していったが、ウルガモスが守るとギガドレインとイトケでしぶとく生き残る。
最後は
ラティ/カメックス/
/ /ウルガモス
の状態で相手の追い風+守る読みで蝶舞を通し勝利。
見るからに相手のパーティパワーが高い。
凄く猫だまししてきそう。
ウルガモスの通りが悪いのでバンギ展開か。
初手
クロバットの横取りでサンダーの追い風を奪うことに成功。
その後ダクホ+龍舞展開し、眠りターンやムラっけでも上振れしてバンギが暴れ続けて勝利。
さぁ相手はどっちに
サマヨールを出すのか 果たして結果は!?
初手
ムラっけ
ドーブルの命中率が下がったり運に泣かされた。
なんとか消耗しながら4ターンを耐え忍ぶ。
最後は
コジョンドがバンギに膝を外した隙に龍舞し全抜きして勝利。
前半の運を後半の運で返し優勝を決めた。
【感想】
今までふざけたパーティしか作っておらず、軽い気持ちで参加してみたところドラフト時の通話がトリプルガチ勢すぎたのでビビり散らかしてました。
水の通りが良く、コンセプトが怪しい並びでしたが狙いが上手く刺さり、かつ運が良く優勝できました。
運営のこすもすさん、参加者の皆さんお疲れさまでした。
嬉しい、でも次はふざけたパーティを作ろう。